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胆管閉塞のメカニズム

胆管閉塞は、胆汁を肝臓から十二指腸まで運ぶ胆管が、
腫瘍や胆石などによって狭窄したり、閉塞している状態をいいます。

 

胆汁は、脂肪分解酵素であるリパーゼの働きを助ける界面活性剤の働きをする液体です。
そして、胆汁は、肝臓で一日に1000ml程度産生され、
十二指腸ファーター乳頭から腸管内に排出されます。

 

胆管が閉塞した部位から逆行性に、
肝臓内にうっ滞した胆汁中に含まれるビリルビンが血中に移行すると、
黄疸が現れます。

 

総ビリルビンが3mg/dlを超えると、
皮膚や眼球結膜の黄染が明らかになり、
ビリルビンが組織に沈着すると全身に強い掻痒感が生じ、
褐色のビリルビン尿や、灰白色便が見られることもあります。

 

さらに、胆管で胆汁がうっ滞すると、腸管内から逆行性に細菌感染を起こしやすくなります。
細菌感染を起こすと、胆管炎が発症することがあり、
胆管周囲にはたくさんの血管があり、肝臓とつながっているので、敗血症に進む事も少なくありません。

 

敗血症からDICなどの重篤な合併症を引き起こしたり、
多臓器不全に陥る可能性もあります。

 

また、胆管閉塞を放置したままにしていると、うっ滞した胆汁によって肝臓の細胞が硬くなるので、
肝硬変のような状態になります。

 

胆管閉塞と直結するビリルビン値、ALP、γ-GTPだけでなく、
炎症を示す白血球やCRPなどの検査値も、注意深くみていくことが必要です。

胆管閉塞を示す検査値とその他の重要な所見

胆管閉塞になると、ALPやγ-GTP、Bil(直接ビリルビン>間接ビリルビン)、WBC、CRPの値が高くなり、
PIVKA-U、ビタミンK依存性凝固因子活性(PT延長)の値が下がります。

 

腹部エコーやCT、MRI(ERCP)によって、
胆管の拡張像や閉塞部の腫瘤や結石が確認されます。

 

* Amy、Ca、ビリルビン、PT-INR、FDP/D・ダイマー、ALP、WBC、
Glu、γ-GTP、CRP を確認しておきましょう。

胆管閉塞の判断のカギは、誘導酵素「ALP」と「γ-GTP」

「ALP」と「γ-GTP」は、「誘導酵素」で、
薬剤やアルコールの摂取により酵素の産生が増加します。

 

肝細胞移行の胆汁排泄に障害がある場合、
ほぼ並行して増加する「ALP」と「γ-GTP」は、特に胆道系酵素と呼ばれています。

 

ALP

 

ALPには、胎盤由来のもの、肝臓由来のもの、小腸由来のもの、骨由来のものがありますが、
アイソザイムを調べることによって由来臓器が確認できます。

 

とくに、肝臓由来の高分子ALPであるALP1の値が上昇している場合は、
胆汁の流出障害を伴う疾患、肝炎、肝硬変などにより
異常高値を示していると考えられます。

 

γ-GTP

 

γ-GTPは、アルコール摂取によって高値を示すだけでなく、
胆道系疾患の場合も高値を示します。
そして、γ-GTPは、腎臓に多く含まれますが、
逸脱酵素ではありません。
ですから、腎障害による上昇はありません。

 

その他、肝臓で代謝され、胆汁へと排泄される直接ビリルビンも、
胆管閉塞によって血中へと流出します。

 

ですから、これらの値が全て上昇していれば胆管閉塞であると考えることができます。

 

ビリルビンの上昇を伴わないALPとγーGTPの上昇、
或いはγ-GTPの単独上昇の場合は、胆管閉塞よりも肝臓がんの可能性を高く疑います。

 

診断には、いくつかの検査を組み合わせて考えていくことが大切です。