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腎不全のメカニズム

腎不全とは、原因にかかわらず腎臓の障害が進行した結果、
腎臓が本来の機能を果たせなくなった状態をいいます。

 

腎不全は、「急性腎不全」と「慢性腎不全」に分類されます。

 

急性腎不全

 

腎疾患が急激に進行し、短時日で腎不全に陥るものです。

 

そして、急性腎不全は、その原因によって「腎前性腎不全」、「腎性腎不全」、「腎後性腎不全」に分けられます。

 

 腎前性腎不全: ショックや重度の脱水など、腎臓より以前に問題が起こり、
        腎臓そのものには問題がないにも関わらず、腎血流量が急激に低下して発症します。

 

 腎性腎不全: 腎疾患の急速な進行、腎毒性物質による尿細管の障害、
       アレルギーなどが原因の間質の障害などによって発症します。

 

 腎後性腎不全: 尿路の閉塞など、腎盂や尿管以降の問題によって発症します。

 

急性腎不全は、原因の発症から1日〜3日で乏尿となり、数日〜2週間、
場合によっては数ヶ月、その状態が続き、高窒素血症や、水・電解質以上、尿毒症などの症状が起きます。
その後、多尿の時期が数日続き、腎機能が徐々に回復していきます。

慢性腎不全

 

慢性の腎疾患が徐々に進行し、腎不全に陥るものです。

 

慢性腎不全の原因となる病気で最も多いのは、「糖尿病性腎症」で、全体の4割近くを占めています。
次いで、「慢性糸球体腎炎」、「高血圧」、「動脈硬化」などによる腎硬化症などが原因となります。

 

糸球体濾過量により、I期(予備力減少期)、U期(機能代償期)、
V期(機能非代償期)、W期<(尿毒症期)の4つの病気に分けられます。

 

慢性腎不全は徐々に進行していく不可逆的な疾患で、
W期の尿毒症期になると、尿量が減少し、アシドーシスや高カリウム血症などの症状がみられ、
生命を維持するための血液透析が必要になります。

腎不全を示す検査値とその他の重要な所見

腎不全になるとBUN、Cr、K、P、Mgの値が上がり、
Ca、Na、Ccr、eGFRの値が下がります。

 

また、心電図異常や痒み、貧血、悪心、下痢などの症状がみられます。

 

* BUN、Cr、Mg、P、Ca、eGFR、Na、Ccr、K、NH3について確認しておきましょう。

腎不全の診断のカギとなるのは電解質異常

血液中に解けているNa、K、Ca、P、Mgなどのイオンのことを「電解質」といいます。
電気質は、体液量の調節をしたり、体液浸透圧の調節、
酸・塩基平衡の維持などを担っていますが、
何らかの問題によって、多すぎたり少なすぎたりしてしまうことがあります。
これを「電解質異常」といいます。

 

腎不全のように、腎機能が著しく低下した時には、電解質異常が起こります。

 

腎機能が低下すると、血液を濾過し、不要な水や電解質を体外に排出したり、
必要な物質の尿細管再吸収が出来にくくなり、
高カリウム血症、高リン血症、低カルシウム血症、低ナトリウム血症などといって
電解質異常が起きてしまいます。

 

高カリウム血症が起きると、筋肉の脱力感、四肢の痺れなどの感覚異常が現れ、
低カルシウム血症が起きます。
そして、低カルシウム血症になると、知覚異常や筋肉の痙攣などが起き、
尿として水分を排泄できなくなるため、低ナトリウム血症がおき、浮腫が見られるようになります。

 

腎不全になると、体液の恒常性が保たれなくなり、結果的に代謝性アシドーシスに陥ります。