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心不全のメカニズム

心筋の収縮力が低下することによって心拍出量が低下している状態、
つまり、心臓のポンプ機能が低下している状態を「心不全」といいます。

 

心不全は、心疾患(心筋梗塞、心筋症、不整脈、弁膜症など)や、
高血圧や糖尿病などの生活習慣病、加齢などが原因となります。
また、心不全は、全ての心疾患が最終的に到達する病態です。

 

心不全の状態は、心臓の予備能力を動員しても、
身体が必要とする酸素需要に応じることができない状態で、
心血管系や内分泌系、免疫系などの調節機構にも異常が生じます。

 

心不全の場合、主な機能低下が、左に生じるか、左に生じるかによって症状が異なります。

 

左心不全

左心不全の場合は、左心室が十分に血液を送り出せなくなるので、
その手前の左心房と配循環系に血液がうっ帯し、肺うっ血がおきるので、
呼吸困難となります。

 

右心不全

右心不全の場合は、右心室のポンプ機能が低下するため、
右心房や静脈系に血液がうっ帯し、浮腫が起きたり肝腫大が起きるなどします。

 

心不全の状態を評価するためには、スワン・ガンツカテーテル(SGC)を実施し、
心拍出量低下の有無と、肺うっ血の有無を判定します。

 

治療の指標としては、心拍出量÷体表面積で求められる「心係数」と、
肺動脈楔入圧を用いて血行動態を分類した「フロレスター分類」が用いられます。

心不全を示す検査値とその他の重要な所見

心不全を示す場合は、BNPやANPの値が高くなり、SpO2の値が低くなります。

 

また、肺うっ血像、血圧上昇、頻呼吸、頻脈、頸動脈怒張などが確認されます。

心不全の診断のカギとなる値はBNP

心不全の診断のカギとなる値はBNPです。

 

心臓の負荷に伴い、主に心室で合成され、
血液中に分泌されるホルモン「BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)の値は、
心不全の診断や重症度判定などに活用されます。

 

以前は、心房で合成され、分泌されるANP(心房性ナトリウム利尿ぺプチド)値も測定されましたが、
現在は、BNPのほうがより心室機能を反映し、変動幅も大きいことから、
BNPの値を診断のカギとしています。

 

BNPは、症状がまだあまり出ていない段階であっても、
ある程度確認することができる便利な心不全マーカーです。
他の検査でも判定しにくい心機能の低下についても診断できます。

 

BNPの正常値は、100〜200pg/mlですが、
例えば、400pg/mlで推移している人がいるとするなら、
その人は5年後ぐらいには重篤な心不全に陥る確率がとても高い状態であると予測できます。

 

心不全の治療を勧める際にも、BNP値が指標となります。

 

治療を行っても、BNP値が低下しない場合は、
治療効果が上がっていないと考えられ、予後がよくないことが予測できます。

 

* 検査値、ALT(GPT)、ANP、AST(GOT)、BNP、CK、LD、WBC、γ-GTPについては、
 とても重要な検査値項目となりますので、必ず確認しておきましょう。